華麗に舞い降りた

川の向こう岸に嗣永さんの姿が見えた。いますぐ駆け寄っていきたい。川は浅い。流れは緩やかだ。濡れるのなんてへっちゃらだ!川の中へ足を踏み入れた。その時、幾種類かの香辛料の香りが鼻を突く。上流を見上げる・・カレーだ・・カレーのルーが濁流となって押し寄せてくる!次の瞬間、成す術なく飲み込まれていく僕・・苦しい。・・そこで目が覚めた。汗だくだ。うなされていたらしい。昨晩の僕は落ち込んでいた。なかなか寝つけないだろうと思っていたのだが、どうやら泣き疲れて眠ってしまったらしい。辺りを見回す。バスは止まっている。しかし大阪に着いたわけでもないようだ。SAで休憩しているのだろう。運転手さんが近寄ってきて僕に声をかける「寝苦しいなら一番後ろの席で横になっていて良いよ。」ほんの些細な心遣い。普段なら軽く受け流してしまいそうだが、この時の不安定な気持ちでいた僕の心には深く染み込んだ。落ち着きを取り戻す。実に穏やかだ。だって人の優しさに触れたから。今日は笑顔を取り戻せる!そう確信しながら夢の続きを見る為もう一度眠りにつく。夢の続きは対岸に打上げられた僕を嗣永さんが介抱してくれる♪というものに違いない。プラス思考だ。昨日の僕とは違う。だって人の優しさに触れたから。そんな明るい気持ちで臨んだ握手イベ!今回はあれやこれやと話し掛けなかった。ハードスケジュールをこなす嗣永さんに体調に気をつけて無理をしないでということだけを伝えた。笑顔で「はい!」と応えてもらった。次に握手できる機会が何時になるか分からないので確実に笑顔だけは見たかったし、なによりそれで充分だと思えたから。今日は笑顔で帰ります。